=白銀の章=
*サブタイトル名*
○白銀の章1・
○白銀の章2・
○白銀の章3・
○白銀の章4・


*この章で初めて登場する登場人物*
○白銀の章1・絆
○白銀の章2・虜
 盗みを働いた商人
 増長

○白銀の章3・流刑
 戒厳令と言った女の子

○白銀の章4・死線
 水の鹿
 風の梟
 七尾
 シラス(13番)
 ちなみに、他の人の奴隷番号は、
 更紗(4番)
 揚羽(31番)
 浅葱(16番)
 七尾(50番)

○白銀の章5・カナリア
 天麻
 土佐丸
 お竜
 熊
 火の狐
 土の熊

○白銀の章6・その名前

○白銀の章7・曼陀羅華

○白銀の章8・脱出

○白銀の章9・オーロラ




*故事・歴史・その他*
鬼門

鹿角

玄武

アゴを砕かれた熊

呪いの構図

人形にクギを打つこと

機を逆さに掲げること

飢えさせた動物を血祭りにあげること

その時季時季の木や花を使う

午王宝印

やたがらす

多聞

広目

持国

増長

坑道



戒厳令

水猿(河童)

続石

武蔵坊弁慶

めはりずし

さんまずし

那智黒あめ

温州みかん

鯨の尾の刺身



古代ギリシャ

知恵と戦いの女神アテネ

網走刑務所

31番

弥生の間

”旱に雨”

竜王岬(四国 土佐)

「砂漠の虎王」

「赤い虎」

”笑中に刀あり”

”きのうの少年 今は白頭”

”いけすの鯉”

”羊の歩み”

”寝る間が極楽”

”明日は明日の風が吹く”

炭鉱

カナリア

”一殺多生”
”焦眉の急” ”深淵に望むが如し”

*名言*
□「わしらは 国のためなら 血を流すことを恐れない
  自分の血も 他人の血も
  進んで 血を流せと教育する
  命より大切なもののために」
 更紗「命より 大切なもの…」
 増長「自分の国 自分の土地の平和 そこに生きる自由と 子孫のための未来だ」
 更紗「(命より)」
 増長「ここは そういう国だと思ってくれ」
 更紗「(命より大切な… あるだろう それはあるだろう)でも…」
 揚羽「タタラ 感情的になるなよ」
 更紗「でも… それでも 命も一番大切だと言ってほしい
    (こんな時代だから こんな… 時代だから)
    わたしは 他人に血を流せと言える人は 信じられない」
 増長「革命家がきれい事を言うか あなたがたも わたしらを巻き込もうとしている
    日本のために血を流せと 言いたいのではないのか?」



*キーワード*
◇新橋「クーーッ(パタパタパタ)」
 <飛ぶ練習をしている新橋>
 蜻蛉「ちがうちがう こうユーガに(パタパタ)」
 新橋「ダディー まってー(バタバタバタ」
 更紗「新橋?」
 揚羽「新橋の兄弟たちは 母親に習って もう飛んでるよ
    今のうちに おしえてもらっとけよー
    そろそろ親元を飛び立つ時期だし
    早くから親と離れると苦労するな」
 更紗「新橋…」
 揚羽「おまえさんもな」
 更紗「でもその分 根性がすわるよ あんまりすわってないか…
    親みたいな人もいっぱいいるし
    揚羽もね」
 揚羽「親…」
 浅葱「何テレてんの」
 揚羽「別に」

 揚羽「浅葱よ」
 浅葱「何?」
 揚羽「おまえの魂胆は別にあるとしても タタラのそばにいる以上
    本気で守れよ」
 浅葱「揚羽は本気なの?
    まさか あのちんけなのが運命の恋人だなんて言うんじゃないだろうね」
 揚羽「さあてね」
 浅葱「うふ じゃあ揚羽もライバルだ」
 揚羽「何が」
 浅葱「くすくすくす 別に<抱きつく浅葱>」  更紗「気持ち悪いなあ ベタベタして」
 浅葱「あっ またゴカイされた」

 更紗「化け物なんか いないよ いない
    申し訳ないけど わたしは怖くない
    面を取って下さい
    わたしは 砂漠で育ちました
    砂漠には 身を寄せる陰とてなく
    魔物の棲むような 暗い茂みも 水のほとりも 何もなかった
    闇に潜む 妖しのものに 脅える気持ちなど 養われませんでした
    砂漠で恐ろしいのは 人間だけ
    赤い衣をまとった人間以上に怖いものなどないんです」
 
 <浅葱の夢>
 幼い浅葱「寒い… 寒いのは… イヤだ」
     <誰かが手を差し伸べる>
 幼い浅葱「誰…? ああ… 暖かい…」
 <目覚める浅葱>
 更紗「大丈夫?浅葱」

 <新橋が馬車から落とされる>
 新橋「(パタパタパタ)」
 更紗「新橋!!」
 新橋「クーッ クーッ(パタパタパタ)」
 更紗「止めて 馬車を 止めろ!
    新橋 新橋が 止めろおおっ」
 <雪が降ってくる>  揚羽「雪… これが…」
 更紗「やめて 何これ なんなのよおっ 新橋!!     (落ちてこないで そんなにたくさん      新橋を隠してしまわないで)     新橋いいいっ」  <更紗が輪姦しようと近づいてくる男達とそれを統率しようとしているシラスを見て瞬時に計算をする揚羽>  揚羽「弟はまだガキだ 指一本 触れないと約束するなら     オレがいくらでも相手してやるよ」
 更紗「揚羽…!?」
 シラス「男娼か」
 揚羽「似たようなもんだ 奴隷上がりの踊り子さ
    約束するなら 足の裏でも ケツでも 金玉でも とっくりとしゃぶってやるよ」
 シラス「約束だ? よく言うよ
     触れたら 切れそうな顔しやがって
     まあ ”旱に雨”だ 潔いのは 好きさ
     わかった おめえら 手ェだすんじゃねえぜ!」
 更紗「あ… 揚羽 揚羽…」
 揚羽「目を閉じて 耳をふさいでな
    気にするな オレの人生こんなもんよ
    必ず守るから 安心してろ(涙を流す更紗)」
 浅葱「揚羽…(戸惑う浅葱)」
 揚羽「浅葱 タタラを放すなよ
    オレは タタラと一緒に来て よかったと思うぞ
    少なくとも そばにいれば 何かしてやれるからな
    おまえも そろそろ 本気で守りなって」
 シラス「早く来な 31番」
 揚羽「(31番… 奴隷No31… 懐しの番号だ」
 更紗「揚羽… 揚羽…」
 揚羽「ガキの頃から オレの持ち札は 「吊るされた男」
    カードの意味は 「犠牲と試練と報われる愛」
    つまんねえよ …でもな
    おまえには それだけの価値があるんだせ」
 揚羽「片目をなくした時から おまえとの縁は 始まってたのさ」
 更紗「揚羽! 揚羽… 揚羽… あ…
    (止めなきゃ 止めなきゃ… 助けなきゃ…
    体が… 動かな…い
    朱理… 朱理… 助けて 助けて 朱理」

 朱理「どれがどう 愛だか 知らんが
    オレは更紗が好きだ そばにいてほしいと思うし 抱きたいと思う
    それが愛じゃないんなら そんな言葉はどうでもいい
    詩を詠んで生きてくわけじゃないからな
    欲しいものは欲しいんだ」
 ユウナ「…自分のためだけじゃなく 更紗ちゃんの幸せも願ってる?<優しい顔をして>」
 朱理「当たり前だ あれが楽しそうに笑ってると オレもなんだかうれしいんだ」

 朱理「日本という国を相手に 将棋を一局 指してみたくはないか」
 天麻「(赤の王の… 何かが変わった…?
     国を追われて 自暴自棄にすさんでる訳でも 焦ってるふうでもない
     みじめったらしくすがってくるのでもない…
     赤の王として 威張りくさって来るのならどうかと思ったが…」
 お竜「光と風をしょった男じゃねえ」
 天麻「お竜…」
 お竜「自由を尊ぶこの土佐に 吹く風は 維新の風じゃろ
    あんた お客にお茶も出さないの」
 天麻「はいはい」

 那智「あと べっぴんさんでもいてたら…」
 <突然、熊が現れる ひいいいいいいいい>
 那智「ひ!! 熊 ごっつい べっぴんさんやー
    わいは わいは 熊野の人間やけど 熊野っちゅうても熊はいてへんのじゃーーっ ここは熊の穴やったんかいなーーっ」
<う、うまい、那智…多少、ベタやけど>
 那智「ひーーっ て 逃げると思うやろ けど
    鯨より ちっちゃいもんは なんもこわいことないんじゃーーっ」
<槍で熊に向かう那智>  那智「ほれみい 立派な野生児やんか
    何が野生児や わいは ターザンか
    ははははは
    …一人漫才やっててもアホらしわ
    聖ちゃんカムバーック」
<周りを見渡した那智が人を発見>
 那智「あれ 人やんか
    大丈夫か あんた 吹雪に飛ばされたんやな (らっきー べっぴんや!)」
 群竹「すみませ…ん わたしは群竹というもので…
    人を捜して…」
 那智「(なんや男か)まあええわ かかか 今から熊鍋 するよってに おいなあよ
    そらやっぱし タダちゃうで」
 たむさんの書き込み「くまさん ごめんなさい」

 <うずくまり泣いている更紗に>
 揚羽「オレを軽蔑するか…?」
 <首を横に振る更紗>
 揚羽「おまえさんの思考回路は 想像がつく
    自分を責めるな 責めるなよ」
 更紗「……… 揚羽のために何をしたらいい……?」
 揚羽「何も おまえは 新しい国のために生きろ
    それがオレのためにもなる
    初めておまえを見た時
    砂漠で初めてお前を見た時 オレは おまえが運命の子供なのだと直感した
    そのカンはまちがっていない
    決して
    オレを失望させるな それだけでいい」
 揚羽「浅葱 何をふくれてるんだ」
 浅葱「揚羽がこんなマネしなくても 僕と2人で全員やっつけられたよ」
 揚羽「多分な だが危険は冒せなかった
    それに メリットもあるかもしれんしな」
 浅葱「僕はイヤだ 誇り高い 揚羽が好きなのに
    こんなのはイヤだ 汚いよ」  更紗「浅葱!」
 七尾「それはあんまりだす この人のおかげでわしらも助かったんだすよ
    あ わしは50番の七尾といいま…」
 浅葱「慣れ慣れしく近づくな!」
 揚羽「何をイラだってんのか知らねえが
    おまえに汚いと言われちゃ 揚羽さんもおしまいだ」

 更紗「とくとくとく… 小さな鼓動がきこえない あたしは誰も守れない
    お兄ちゃん… ナギ… 角じい 茶々… 朱理… あたしに力を…
    あたしに力を下さい」

 <空洞へ変なガスが無いか確かめに行かされる更紗>
 更紗「どこまで… 行けばいいのかな」
 <ジ ジジッ ボボッ 火の燃え方が変になる>
 ナギの教え「火がつく所は 変なガスも ありませんから」
 更紗「(やばい…! ガスかな」

 「タタラを頼みます」
 「(ナギに言われるまでもない もうずっと 永い間 砂漠をさまよいながら
   誰よりも オレこそが タタラという星を待ち望んでいたんだ)」

 「することは大人以上のくせに
  いざとなったら子供ぶるなんて 卑怯だよ」

 「おー よしよし ガキなんてのはなあ こうすんのさ」
 「ふぎゃーっ」  「痛いか 痛さを知らなきゃ 他人の痛みもわかんねえんだよ」